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2012.10.15-10.21

徐 榮晧 ソ・ヨンホ

帰郷

 徐 榮晧 ソ・ヨンホ    「帰郷 」
 徐 榮晧 ソ・ヨンホ    「帰郷 」
 徐 榮晧 ソ・ヨンホ    「帰郷 」

3年前、夜遅い時間突然電話がかかって来た。

それは16年間会えなかった父が亡くなった電話だった。

悲しいと言うより今さら...な感じだった。

中学生の時親は離婚した。

その後、父からは一回も連絡もなく会ったこともなかった。

たまに親戚の人から父の話を聞いただけだった。

私は16年間父を憎んでいた。父はすぐ再婚して新しい家族を作った。

それのせいか母が病気になって私は生活のため大学をやめるしかなかった。

私は捨てられたと思って父を許せなかった。母と2人で大変な生活がつづき、

いろんな事を諦めて暮らした16年だった。

そんな気持ちで生きてた16年が父の自殺で終わった。

電話を切ってから急いで葬式所に向かった。

たった2時間の距離にいたのに結局父と私の距離は縮まらなかった。

葬式所に着いて父の名前と写真を見ても信じられなかった。

悲しんでる新しい家族と親戚の人たちを見ても何も感じられなかった。

ただ葬式が早く終わってほしいと思った。

葬式が終わって次の日から父の新しい家族と親戚の人は遺産の分配で私を苦しめた。

そちらの立場では私を認めないから脅迫が1年間つづいた。

結局告訴して遺産をちゃんともらえることになった。

私はそのお金を母のために使いたかったが母は私が大学をやめたのが

気にかかって留学することを望んだ。

逃げるように日本に来たが亡くなった父のことが気になった。

ただ私は未来のために逃げたからだと思った。

16年間の私と父のことはお金で補償されることができないことを日本に来てから知ってしまった。

父の墓はどこにあるのか知らず行けない私に残ったのは子供の時の記憶しかなかった。

それでまだ残ってる記憶を思い出しながら父と暮らしたアパートを探した。

今は古くなって再開発することになったアパート...

誰かには夢であり思い出で、生の始めだった場所がもうすぐ消える前に

会えなくなった父と私の思い出を振り返りながら

少しでも16年間の距離が縮むように望んで撮り始めた。

徐 榮晧 ソ・ヨンホ

DANKOOK 大学芸術造形中退
ビジュアルアートセンター写真専門卒業
学校法人専門学校東京ビジュアルアーツ卒業
韓国写真作家協会写真コンテスト入選
P&I 写真コンテスト 銅賞
月間写真45周年記念号 青年写真家として作品収録
NYLON xShu uemera 写真コンテスト シルバー賞
朝日カメラ写真コンテスト 銅賞

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