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2012.11.05-11.11
書棚は「持ち主」を表すとはよく言う。他人の書棚は興味深いものだ。けれども他人の書棚を見ることは、自分の中を覗いていることでもある。他人の書棚の本に“自分の興味”が沸き起こるから。様々な記憶や“偶景”が書棚に納まる本や小物に触発されて、よみがえるからだ。他人の棚、図書館の棚、よく行く本やの棚は、自分の棚でもある。
では、立花先生の棚は自分の棚となったか?
10万冊以上の本に囲まれながら、一人4次元に立って、無限に広がる本のネットワークが見えている立花さんの棚。立花さんの脳内は見渡せないが、ここの書棚は、立花さんの脳のデフォルメだとも思った。そういう棚は、そう簡単には自分の棚に出来ない。
ただ、こんな僕の陳腐なアナロジーを越えて、書き言葉とイメージの宇宙は広がっている。四角い書棚の造作そのもの。それを「たたずまい」と僕はよんでいるけど、その形そのものが、人が作り出したもう一つの宇宙を、さりげなく私たちにさし示している。
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11月10日(土) 鈴木一誌 × 薈田純一 トークイベント開催
詳細はトークショーページにて。
薈田純一 わいだ・じゅんいち
写真家。兵庫県神戸市生まれ。小、中学校時代を米国で過ごす。外国通信社勤務後、人物ポートレートや、“突然よみがえる日常では忘却された記憶”というべき「偶景」をテーマに撮影を始める。主な作品に夜の街路樹をテーマとした「Visions of Trees」、偶景を自身が通った小学校の風景にさがした「Primary Days」など。近年は、さまざまな「書棚」を対象に創作活動に取り組んでいる。
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